日頃から熱交換器をフル稼働している産業現場も珍しくありません。例えばボイラーや蒸発生成器あるいは復水器や製造ラインなどでは、大量かつ安定した熱供給が必要不可欠になるため、熱交換器は欠かすことのできない機器と言えます。このように汎用性に優れた重要な機器なので、24時間365日フル稼働しているケースも珍しくありません。そのため長期にわたり稼働していれば、やがて熱交換器内で経年劣化も進み、何らかの異常も目立ち始めるのが通常です。

例えば熱交換器スケールに起因するトラブルなどが典型。スケールとは流体に溶け込んだカルシウムやマグネシウムなどの不純物が析出し、それが熱交換器の配管やプレート等に固着したものを指します。このスケールが蓄積していくと、熱交換の効率が著しく下がり、産業現場へ安定した熱供給が不可能になることもあります。それだけでなく、スケールが蓄積した箇所に腐食や亀裂が起こると、そこから水漏れして、周囲の正常な機器や水道設備にまで、深刻なダメージを与えることさえ考えられます。

このようなリスクを回避するには、やはり普段から定期的な点検を徹底し、突発的なトラブルにも対応できるように、速やかに熱交換器スケールへ移行できる体制づくりが求められます。あるいは産業現場へ機器を導入する段階で、熱交換器スケールが付着し難いタイプを採用しておくことも、リスク回避には有効でしょう。例えばプレート式熱交換器であれば、流体促進構造と呼ばれる独自の仕組みよって自己洗浄機能が働くので、スケールによるリスクの軽減も期待できます。